中国近代の書人たち

中国近代の書人たち
著者 中村伸夫
ジャンル 書道書籍 > 単行本 > 作家・評伝
出版年月日 2000/10/27
ISBN 9784544010756
判型・ページ数 B5変・264ページ
定価 3,520円
(本体3,200円+税10%)
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

清朝中期以降の書人をたどる資料は皆無に等しい。その欠落を補うべく、19世紀以降に活躍した中国の書人・計50家について、作品などの豊富な図版を配して書人像を明らかにしていく。また逸話なども交えて人となりにもスポットを当て、その魅力に迫る。






  序にかえて――清末から民国にかけての書

 戴煕―――碑学全盛期の帖学信奉者/エリート官僚として/太平天国軍と戦って入水自殺/
      正統的山水画の名手/純然たる帖学書法
 曽国藩――知性ある英雄的軍人/何紹基と交流のあった北京時代/軍人にして大学者/
      書論に見る真摯な学書態度/広範にわたる書芸/長男曽紀澤
 呉雲――一大コレクターにして何紹基の心酔者/善政を謳われた地方官/
      学書遍歴と何紹基の影響
 莫友芝――清末上海の売れっ子書家/在野の大学者/古樸鈍重の篆隷書法
 陳介祺――古銅器鑑別の第一人者/大コレクターとしての後半生/
      書信に見る金石・書法の知見/古代文字の生韻を書法で再現
 楊沂孫――郷里常熟にのこる肖像画/翁同龢の日記に見る親交/「歴却不磨」の篆書
 楊峴―――清末第一の隷書の大家/故郷をおとしいれた太平天国軍/性は耿介にして尊大/
      漢碑を習い五十歳以降に大成
 兪樾―――人口に膾炙する名詩碑/エリート官僚としての出発/学術に専念すること五十年/
      学問の気ただよう隷書
 張裕釗――曽国藩門下の逸材/曽国藩の幕客にして宮島詠士の師/碑学にもとづく新奇な書風
 胡澍―――夭折の篆書の名手/科挙官僚をめざして/北京で趙之謙たちと交流/
      趙之謙の篆法とは同工異曲/畢生の傑作――篆書『説文解字序』
 徐三庚――近代日本書道の恩人の一人/布衣の売芸家/装飾美に富む篆隷・篆刻
 趙之謙――清末能書家、最高峰の一人/五度にわたって会試受験に失敗/潘祖蔭の庇護/
      杭州での売芸活動/「逆入平出」による北魏書の完成
 翁同龢――清末屈指のの大官僚にして能書家/帝の教育係から軍機大臣・大学士へ/
      突然の解任により帰郷/学書の子細を伝える膨大な日記/背骨をなす顔真卿書法/
      自由無碍な境地の書芸
 蒲華―――巷間の売芸家/呉昌碩との親交/上海芸苑を主導/奇趣あふれる草書
 潘祖蔭――趙之謙を庇護した大官・金石学者/人望厚い実直の政治家/
      同好の士との交流と古物蒐集/いぶし銀の帖学書法
 呉大澂――金文研究の第一人者/若き修業時代の日記/金石に熱中したエリート官僚/
      日本軍と戦って敗北/金文本来の姿を精密に再現
 張之洞――東坡書法に心酔した大官僚/政界の重鎮にして開明的指導者/
      不朽の名著『書目答問』/尺牘に見る能書
 楊守敬――明治期書道の先導役/北京での潘存との出会い/四年に及ぶ日本滞在/
      帰国後の学術への専心/盛んな晩年の売字活動
 何維樸――大家何紹基の孫/祖父の書法を継承/守古的山水画の名手
 呉昌碩――趙之謙と並ぶ最高峰の芸術家/戦乱による試練/「一月安東令」/
      終生のの伴侶〈石鼓文〉/佳作を量産
 王懿栄――難に殉じた耿介の士/甲骨文字の発見と旺盛な金石趣味/大人の風格にじむ書品
 黄士陵――〝黟山派〟の開祖/南昌、北京、そして広州へ/清新な刻風、実直な書法
 張祖翼――出版物に見る清末上海の大家/漢隷を広く学ぶ/大衆に迎えられた通俗的書法
 高邕―――芸都上海の名家/呉昌碩との交友/豫園書画善会の初代会長/李北海を学ぶ
 沈曽植――博学直行の士/呉昌碩や康有為との親交/章草への開眼
 鄭文焯――書画にすぐれた清末有数の詞人/詞家として大成/北魏の南帖の融合
 劉鶚―――金石碑版を愛した憂国の士/治水術による出世/第一級の古碑帖鑑別家/
      日記に見る碑帖への耽溺
 趙世駿――清末屈指の褚法の達人/古碑帖の鑑別にも一家言/褚遂良之書法を墨守
 康有為――清末きっての多面的才人/名著『広芸舟双楫』の執筆/政治改革への執念と挫折/
      北魏書への心酔/奇趣あふれる雄壮な書法
 鄭孝胥――超然独歩の能書家/立憲運動から清室の再興へ/「我が意は無礙に在り」の書法
 端方―――清末最大規模の収蔵家/革命に抗して殉難/旺盛な蒐集活動と熟達した題跋書法
 曽煕―――一陣の奇風をもたらした能書か/「小大の画中の人の如し」/
      筆を震わせた特異の運腕
 斉白石――貧農出身の個性は芸術家/「五山五帰」から「人民芸術家」へ/啓功教授の回想
 黄賓虹――斉白石と並ぶ近代画壇の巨匠/〝革命党人〟から〝中国人民優秀画家〟へ/
      平明で含蓄に富む篆書法/秦漢古印の蒐集と古文字の考証
 羅振玉――古文字書法にすぐれる「著述等身」の大学者/京都での亡命生活/
      甲骨文字を書作の場に移行
 李瑞清――翰林院出身の売芸家/四十六歳で黄冠の道士に/一世を風靡した「鋸体」の北魏書
 王震―――呉昌碩門下の実業家/親日派にして無類の仏教信者/書画に見る明瞭な師法の烙印
 章炳麟――篆書にすぐれた「国学大師」/魯迅に愛された革命家/流行を批判した書論/
      奇怪な書風に見る革命家の面目
 梁啓超――書芸を愛した進歩的思想家/十四年にわたる日本での亡命生活/
      北魏書を軸とする碑帖の温習
 趙之雲――呉昌碩晩年の代筆人/上海・蘇州での売芸活動/書法に見る師風の近似
 陳衡恪――呉昌碩門下の薄倖の才人/魯迅・斉白石との親交/呉昌碩ゆずりの書画の妙技
 于右任――民国期能書家の筆頭格/革命運動から国民政府の重鎮へ/
      『標準草書』の制定と「死筆無き」書法
 譚延闓――民国初期の顔法の信奉者/会元から行政院長へ/「写字を以て日課と為せり」
 沈尹黙――伝統書法を重んじた新聞学の開拓者/代用教員から北京大学々長へ/
      厳格緻密な理詰めの書法
 馬公愚――もう一人の〈石鼓文〉の名手/半世紀にわたる上海での書画活動/
      無私的な古碑帖の温習
 郭沫若――新中国屈指の多彩な知識人/日本へ亡命/飛動する「郭体」の書
 呉湖帆――書画の実作・鑑定にすぐれた呉大澂の孫/鴛鴦芸術家として/痩金体にも習熟
 容庚―――近代屈指の古文字学の大家/貢献度高い学術的成果/
      不朽の名著『金文編』に見る迫真の技法
 潘天壽――書芸の異彩を放つ国画の巨匠/美術教育家として、画家として/
      書法に交錯する近代的審美観
 張大千――世界を舞台にした芸術家/書画における乱真の模写技術/
      「左低右高の勢」をとる奇風

  あとがき
  参考資料一覧
  生卒年表

ご注文

定価3,520円
(本体3,200円+税10%)

シェアする

このエントリーをはてなブックマークに追加