こわくてゆかいな漢字

こわくてゆかいな漢字
著者 張 莉
ジャンル 書道書籍 > 単行本 > 論考・随想
出版年月日 2016/06/09
ISBN 9784544010831
判型・ページ数 A5変・320ページ
定価 2,200円
(本体2,000円+税10%)
在庫 在庫あり

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漢字は太古の思いを詰めた玉手箱。

漢字の故郷、中国から日本に留学した才媛が、白川静、阿辻哲次の両大家に学んだ漢字学の知識を元にして書き上げた、漢字をめぐるエッセイ集。四季に始まり、五感・動植物・自然・占いなど、日常見慣れた文字の意外な字源を取り上げて行く。







   はじめに

1四季の文字から始めましょう
  1「春」    春は草木の青々と茂る季節
  2「夏」    夏は燦々と輝く太陽の季節
  3「秋」    秋は収穫の季節
  4「冬」    冬は寒さに震える季節

2昔も今も、人は楽しい、そしてむなしい
  1「人」    人は哀れな存在か?
  2「男」    男とは田を耕す人
  3「女」    女の字形は神に祈る人
  4「子」    「字」の中に子?
  5「王」    王は鉞をもち部族を指揮する
  6「臣」    臣は上を見上げる人
  7「帝」    帝は天帝を祭る祭卓
  8「師」    師は軍を統率する指揮官
  9「主」    主は火をつかさどる人
  10「包」    「包」は子どもをはらんだ妊婦
  11「仁」    仁とは母が胎児を慈しむこと

3五感の漢字はおもしろい
  1「見」「看」 見はまっすぐに、看は手をかざして
  2「眉」    眉に呪飾をつけて呪う女
  3「省」「徳」 省は細かく観察すること
  4「相」「視」 相は本質を解すること
  5「夢」    夢で敵の王を殺す
  6「首」    首とは頭のこと
  7「賢」    賢は霊力を持った盲目の人
  8「言」    言は神に誓って述べること
  9「音」    音は神の応答
  10「聴」    聴は神の啓示をきくこと
  11「聞」    聞は〝においをかぐ〟の意
  12「臭」    臭は犬の嗅覚
  13「香」    香はご飯のかおり
  14「匂」    匂は日本の国字
  15「食」「飲」 食は食器の形
  16「甘」    甘はおいしいの意
  17「即」「既」 即は前向き、既は後ろ向き
  18「郷」    郷は二人の食事風景
  19「酒」    酒を賓客に注ぐのが〝酬〟
  20「鬯」「鬱」 鬱は酒がこもったにおい
  21「茶」    茶はテーかチャか?
  22「触」    触の虫はあおむし?
  23「痛」「痒」 痛は体をかけめぐる
  24「指」    旨いものをつまむ指
  25「動」「静」 動にして静、静にして動

4舞えや歌えや
  1「舞」    舞は神を楽しませるもの
  2「歌」    歌は世につれ
  3「詩」    詩は心
  4「声」「磬」 声は磬を打つ音
  5「狂」    孔子〝狂者は進みて取る〟
  6「遊」    神とともに人も遊ぶ
  7「止」    止は足形、歩は右足と左足

5古代の動物は霊力をもつ
  1「龍」    虹は龍のなせる仕業
  2「豚」    生贄の豚を奉げ先祖を祭る
  3「犬」    器(器)は犬で清めたうつわ
  4「象」    象はなぜ気象?
  5「虎」    劇に虎
  6「馬」「牛」 駄は太った馬
  7「亀」    亀は万年
  8「虫」「蛇」 虫と蛇は同源の動物
  9「魚」    魚は富を象徴する
  10「隹」    焦は焼き鳥
  11「唯」「雖」 唯はイエス、雖はノー

6古代の穀物はおいしかったか
  1「禾」    禾は穀物の代表「アワ」
  2「年」    年は一年に一度の実り
  3「穀」「粟」「米」 穀の字形は脱穀の様子
  4「秀」「穆」「禿」 秀・穆・禿は生長の三段階
  5「来」「麦」 西からやって来た麦
  6「豆」「麻」 豆はたかつき?
  7「艸」「草」 どうして草書というの?
  8「力」    力は農耕のスキ

7古代人の数字の魔力
  1「一」    一は始まり
  2「元」    元は元気の源
  3「天」    天は頭のてっぺん
  4「示」    示はお供物を置く祭卓
  5「中」    右軍・左軍を指揮する中軍
  6「三」    三は初めと中間と終わり
  7「四」    甲骨文の「亖」と金文の「四」
  8「九」    九は究極
  9「分」「切」 分は八と刀、切は七と刀
  10「十」    三十年が一昔?

8真・善・美とは何か
  1「愛」    ふりむけば愛
  2「幸」    幸は不幸の裏返し
  3「学」「教」 少年老いやすく学成りがたし
  4「道」    どうして道に首?
  5「真」    真は永遠の死
  6「善」    善は裁判、勝てば慶・負ければ法
  7「美」    美は大きい羊
  8「福」「富」 福が満ち足りた富
  9「吉」「凶」 吉と凶

9空間と時間にまつわる漢字
  1「南」    南は楽器?
  2「北」    北は背中合わせの人
  3「東」「西」 西は鳥のねぐら
  4「今」「昔」 「今」と「昔」
  5「永」    永は永遠の水の流れ
  6「古」    古は典故を守ること
  7「京」「高」 高は望楼の形

10占いに関する漢字
  1「卜」    卜はひび割れの形
  2「桃」    桃が兆を含むのはなぜか?
  3「貞」    貞は鼎の占い
  4「右」「左」 右大臣、左大臣になぜ右・左?
  5「奉」「尊」 樽の尊はどんな意味?
  6「神」    神は雷
  7「霊(霝)」 霊(霝)は雨乞いの儀式
  8「若」「如」 若輩とは何か?
  9「微」    微は媚女を打つ形
  10「呉」    娯楽とは?
  11「陟」    神が昇り降りする階段
  12「玉」    玉磨かざれば光なし
  13「理」    地理の理とは?
  14「瑞」    瑞鳥が飛ぶ
  15「兄」「巫」 兄はなぜ葬式の喪主?
  16「楽」    楽は鈴を振る巫女
  17「龢」「和」 調和の龢

11色とは何か?
  1「白」    白は骸骨の色
  2「黒」「玄」 玄は赤みを含んだ黒
  3「青」    〝青丹よし〟の青とは……
  4「赤」    赤は火の色
  5「黄」    「黄帝」「黄河」の黄は中国の色
  6「色」    色は男女交合の形
  7「物」    物はさまざまな牛の色
  8「糸」「布」 流布・公布の布は?
  9「顔」    顔料の意味
  10「文」    文は入れ墨
  11「胸」「爽」 邪霊を防ぐ「×」形

12自然をつかさどるもの
  1「日」    朝は日と月が見える
  2「月」    月がとっても青いから……
  3「雲」    雲中の龍
  4「気」    気韻生動の「気」とは?
  5「甬」「勇」 勇は気が充満している人
  6「熱」    熱は地熱
  7「辰」    蜃気楼
  8「風」「鳳」 風の中の「虫」

13書にまつわる漢字
  1「筆」    筆が歌い墨が舞う
  2「墨」    墨 人を磨るにあらず
  3「硯」    硯癖と硯友
  4「紙」    紙は布から始まった
  5「書」    書は神聖な祝詞
  6「刻」    時を刻む
  7「印」    印と抑は一緒の字

  最後に 「咲」「笑」 笑う門には福来る

   用語解説
   あとがき 参考文献

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