色紙 漢字かな交じり書［仏のやさしい教え］

現書壇大家の書き下ろし作品で構成。第二弾、星弘道書！

有名書家たちが新たに書き下ろした作品によって学ぶ、色紙揮毫の最良の教本。古典から名言・佳句を精選する。本冊は、法華経や華厳経などの経典から歎異抄や良寛の手紙まで、含蓄に富む教えや、心に沁みる言葉を四十点を掲載。釈文・出典完備。

【本書の特色】
◆現書壇の大家が書き下ろした作品を元に学ぶ理想的な教本シリーズ。
◆法華経や華厳経などの経典から、歎異抄や良寛の手紙まで、含蓄に富む教え、心に沁みる
　言葉を精選。
◆僧職にある執筆者の「日龍ひとくち説法」を設けた。

はじめに――――――――――――――――――――――――――――――――――　星弘道

　善を為せば天に生ず　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈法苑珠林〉
　心に即する是れ仏なり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈無門関〉
　縁に遇っては宗に即す　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈無門関〉
　蓮華の水に在るが如く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈妙法蓮華経〉
　風暖かにして鳥声砕く　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　白隠〈槐安国語〉
　微塵を積んで山と成す　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈大智度論〉
　小欲をもて足を知る　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈大日経疏〉
　流れに随って妙を得たり　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈従容録〉
　心動ぜざれば山王のごとし　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〈華厳経〉
　病によりて道心はおこり候か　　　　　　　　　　　　　　　　　日蓮〈妙心尼御前御返事〉
　一隅を照らす　此れ則ち国の宝なり　　　　　　　　　　　　　　最澄〈山家学生式〉
　糸を垂るること千尺　凡鱗を釣らず　　　　　　　　　　　　　　　　〈虚堂録〉
　慈悲心に薫じて　互いに一子のごとし　　　　　　　　　　　　　源信〈往生要集〉
　風疎竹に来る　風過ぎて竹声を留めず　　　　　　　　　　　　洪応明〈菜根譚〉
　窮すれば則ち変じ　変ずれば則ち通ず　　　　　　　　　　　　　白隠〈槐安国語〉
　花は根にかえり　真味は土にとどまる　　　　　　　　　　　　　日蓮〈報恩抄〉
　生ぜしもひとりなり　死するも独りなり　　　　　　　　　　　　一遍〈一遍上人語録〉
　仏道をならうというは　自己をならうなり　　　　　　　　　　　道元〈正法眼蔵〉
　本来無一物　何れの処にか塵埃に惹かれん　　　　　　　　　　　　　〈六祖壇経〉
　内衣の裏に　無価の宝珠有るを覚らず　　　　　　　　　　　　　　　〈法華経〉
　道心の中に衣食あり　衣食の中に道心なし　　　　　　　　　　　光定〈伝述一心戒文〉
　破鏡重ねては照らさず　落華枝に上り難し　　　　　　　　　　　　　〈景徳伝灯録〉
　無事是れ貴人なり　但だ造作すること莫かれ　　　　　　　　　　　　〈臨済録〉
　己が長を恃むことなし　何ぞ彼の短を談ぜん　　　　　　　　　　最澄〈顕戒論〉
　朝には紅顔ありて　夕には白骨となれる身なり　　　　　　　　　蓮如〈御文（御文章）〉
　善人なおもて往生をとぐ　いわんや悪人をや　　　　　　　　　　親鸞〈歎異抄〉
　うつりやすきは人の心なり　善悪に染められ候　　　　　　　　　日蓮〈西山殿御返事〉
　身は華とともに落つれども　心は香とともに飛ぶ　　　　　　　　空海〈性霊集〉
　人の心元より善悪なし　善悪は縁に随っておこる　　　　　　　　道元〈正法眼蔵随聞記〉
　水は流れて元より海に入り　月は落ちて天を離れず　　　　　　　　　〈建中靖国続灯録〉
　春は花　夏ほととぎす　秋は月　冬雪さえて冷しかりけ　　　　　道元〈傘松道詠〉
　極楽に行かんと思う心こそ　地獄に落つる初めなりけり　　　夢窓疎石〈夢窓仮名法語〉
　ただまさに　やわらかなる容顔をもて　一切にむかうべ　　　　　道元〈正法眼蔵〉
　玉は琢磨によりて器となる　人は練磨によりて仁となる　　　　　道元〈正法眼蔵随聞記〉
　福をもとむる欲心だに捨つれば　福分は自然と満足すべし　　夢窓疎石〈夢中問答〉
　門松はめいどのたびの一里塚　馬かごもなくとまりやもなし　　　　　〈一休蜷川狂歌問答〉
　一切の男子は是れ我が父なり　一切の女人は是れ我が母なり　　　空海〈教王経開題〉
　水の中を尋ねても見よ浪はなし　されども波は水よりそだつ　宗峰妙超〈大燈国師養牛軽吟歌〉
　人をよくなすものは　方人よりも強敵が人をばよくなしけるなり　日蓮〈種種御振舞御書〉
　災難に逢う時節には災難に逢うがよく候
　　　　　　　　　　　　　　　死ぬる時節には死ぬがよく候　　　良寛〈山田杜皐宛て書簡〉

　参考図書